お部屋探しで希望条件の中に、“建物の構造”を入れている人も多いのではないでしょうか?
構造の違いにより、騒音トラブルの減少や電気代節約に繋がる可能性があります。
そこで今回は、賃貸における建物の構造について解説します。
まだお部屋探しを始めてなく、希望条件が決まっていない人は、この記事を見て建物の構造による違いを覚えておくと、お部屋探しに役立つこと間違いなしです。
最後までご覧いただき、ぜひ参考にしてみてください。
そもそも建物の構造とは?
「構造」とは、物件を支える“骨組み”が、どのような工法で造られているかを表しています。
構造には、木造や軽量鉄骨造・鉄筋コンクリート造などの種類があります。
それぞれ、どのような造りなのか解説していきます。
賃貸に多い建物構造の種類
①木造
木造は、主に戸建てやアパートなどで用いられています。
その名の通り、建物の柱などの主要部分に木材を使用。
湿気が多い日本の気候には適した構造で、窓の結露が発生しにくいなどの特徴もあります。
②鉄骨造
鉄骨造は、骨組みに鉄骨を使用している建物のことを指し、軽量鉄骨造と重量鉄骨造の2種類があります。
軽量鉄骨造
軽量鉄骨造は、主に戸建てや低層階のアパートに使用される構造です。
アパートの建物構造としては、前述した木造と軽量鉄骨造が建築総数のうち、大半の割合を占めています。
重量鉄骨造
重量鉄骨造は低層〜中層階のマンションに使用されている構造です。
軽量鉄骨造と比べ、厚みのある鉄骨を柱などの主要部分に使用することから、より遮音性が高くなるという特徴があります。
③RC造(鉄筋コンクリート造)
コンクリートの芯に鉄筋を使用し、それらを柱や壁などに使用した構造がRC造です。
コンクリートと鉄筋の弱点をお互いに補っている構造で、強度が魅力的。
その強度とコンクリートの特性から、遮音性に優れます。
主に大型マンションや、団地などで用いられている構造です。
それぞれのメリット・デメリット
①木造
木造は建築コストが低いことで、アパートや戸建て賃貸などの平均家賃が安くなります。
また、日本の気候に適していることもメリットのひとつ。
空気が乾燥する冬には、蓄えられていた水分を放出し、湿気が多い夏には空気中の水分を吸収する働きをします。
通気性が良いことも掛け合わさり、結露やカビが発生しにくくなるといった特徴が大きなメリットです。
木造のデメリットは、遮音性が低いこと。
アパートなどの集合住宅では、他の入居者の生活音が気になってしまうケースが多々あります。
そのため、テレワークをする人にはおすすめできない構造です。
また、気密性が低いため、冷暖房の効きが悪いといった特徴も。
デメリットがかけ合わさり、家賃の相場が安い傾向にあります。
家賃の安さを追求する上では、最適な構造といえるでしょう。
木造住宅に居住している人の声
②軽量鉄骨造
軽量鉄骨造は、木造に比べて遮音性が高いことと、木造まではいきませんが比較的家賃も安めな点がメリットです。
大手メーカーの賃貸物件によく使用されている構造な点も魅力のひとつ。
有名どころでは、積水ハウスのシャーメゾンや、大和リビングのD-roomなどがあげられます。
軽量鉄骨造のデメリットは、断熱性が低いことと、木造に比べ結露がしやすい点です。
断熱性が低いことにより、夏は暑く冬は寒いお部屋になる可能性があります。
また、主要部分に鉄骨を使用していることから、空気中の水分を吸収する木造と比べて、鉄路やカビが発生しやすい構造です。
カビが発生しそのまま放置した場合、そのお部屋を退去する際に退去時必ずかかるクリーニング費用とは別で、カビが発生している箇所のクリーニング費用を請求されるケースも。
定期的なお掃除や、換気が必要となるでしょう。
軽量鉄骨に居住している人の声
③重量鉄骨造
重量鉄骨造は軽量鉄骨よりも高い遮音性が、メリットといえます。
使用している鉄骨の厚みに違いがあり、より分厚いものを重量鉄骨ではしようしているため必然的に壁にも厚みが出て、軽量鉄骨造より遮音性が高くなっています。
デメリットは、家賃が高くなってしまうことです。
軽量鉄骨造の建物より、建築時の総工費や材料費などが高くなってしまうことから、賃貸として入居者を募集するときの家賃が高くなってしまいます。
重量鉄骨造は軽量鉄骨造と似ていますが、大きな違いもあり、建物が“アパート”なのか“マンション”になるのかを構造の違いで判断しています。
簡単に説明すると、軽量鉄骨造は“アパート”となり重量鉄骨造は“マンション”と呼ばれています。
家賃が高くなることがデメリットと前述しましたが、後述するRC造なども含まれる“マンション”という括りでは家賃相場が安いことも。
ご自身がどのような点に重きを置いてお部屋探しをしているかによって、デメリットが少ない建物の構造となるでしょう。
鉄骨に居住している人の声
③RC造
RC造は賃貸物件の建物構造の中で、遮音性や耐震・耐火性などあらゆる項目で最も優れているといえます。
建築構造上、重量が重い材料を使うことにより、生活音などを遮音する性能が高まります。
RC造は鉄筋を芯にコンクリートで覆っている造りのため、重量が重くなり遮音性が高いわけです。
その他にも、コンクリートを使用していることでの高い耐火性、鉄筋とコンクリートのバランスで相乗効果を発揮した耐震性などもRC造がもつメリット。
RC造の物件は、気密性が高いことを理由に断熱性にも優れているため空調効率が良く、結果的に光熱費を節約できる可能性が高まります。
デメリットは、その他の建物構造と比べて家賃が高くなってしまうこと。また、気密性が高いため冷暖房が効きやすい反面、窓のサッシなどが結露しやすいという特徴があることも覚えておきましょう。
RC造と似た構造でSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)という建物構造があります。
SRC造はRC造に鉄骨を加えた構造となり、主な特徴はRC造とほぼ同じ。
高層マンションなどに使用される構造のため、お部屋探しの条件として設定した場合、分譲マンションやタワーマンションなどが該当します。
物件としてのグレードは上がりますが、RC造よりも家賃相場がさらに高くなってしまうため、なるべく家賃を抑えたいと思っている人には大きなデメリットといえるでしょう。
RC造に居住している人の声
https://twitter.com/pancho0980/status/153590977479308902
【番外】ALC造
主に旭化成のへーベルメゾンで用いられている構造であり、鉄骨の骨組みにALCパネルを使用した軽量気泡コンクリートを使用しています。
構造上は、軽量鉄骨造に属しますが、建物構造の表記はALC造となります。
幅広く物件を探している場合、ALC造で条件を絞るとへーベルメゾンしか該当しませんので物件数に限りがあり、SUUMOやホームズでは建物構造でALC造の選択肢がありません。
そのため、希望条件としてALC造を設定することはおすすめしません。
建物構造を選ぶ時のポイント
①騒音が気になる人はRC造を選ぶこと
前述しましたが、RC造は建物構造のなかで最も、生活音が響きにくい構造となっているからです。
県営団地などの築年数が古い建物でも、RC造を採用しており、築年数が古いとしても、その他構造に比べ生活音は響きにくいです。
そのため、他世帯の生活音などが気になる人は、RC造を選ぶと良いでしょう。
しかし、“防音対策されている”わけではありません。
構造上の防音・遮音性については、足音やドアの開閉音などの振動系の音に対してのものであり、声や楽器などの“音”に対して、性能が高いというわけではありませんので注意が必要です。
生活音は響きにくいかもしれませんが、経年劣化している窓のサッシなどから音漏れし会話が聞き取れてしまうほど、遮音性が低い物件もあります。
構造がしっかりしているからといって、すべての建物が高性能なわけではないことを念頭にお部屋探しをしてください。
②コスパを求めるなら軽量鉄骨造
軽量鉄骨造は、大手メーカーの積水ハウスのShamaisonや大和リビングのD-roomなど、室内快適性を高める造りをした賃貸物件が多い構造なので、お部屋探しをするときに軽量鉄骨造で条件を絞ると、快適性の高い大手メーカーの物件が出てきやすいです。
軽量鉄骨造はデメリットとして、断熱性が低いことやマンションタイプとなる重量鉄骨造・RC造と比べて、騒音が響きやすいことなどがあげられます。
しかし大手メーカーの物件は、生活導線や収納の豊富さなど、他の会社が建築した同価格帯の物件に比べ、住みやすく家具の配置などを考えやすい間取りをしていることが多いです。
木造の次に安い家賃相場である点がメリットということも踏まえると、「大手メーカーの住みやすい賃貸物件に、同じような間取りのマンションより安く住める」ことに。
考えようによっては、“コスパが良い賃貸物件が多い”といえます。
③家賃の予算で決める
建物の構造で、家賃相場が変わります。もしお部屋探しの最中で、自分の条件にあてはまる構造がどれか悩んでいる人は、間取りや設備などの条件を入力し、建物構造ごとに気になる物件を選んでみてください。
そこで自分の思い描く理想の物件に近いものがあれば、その建物構造でお部屋探しを進めて行くことをおすすめします。
ご自身の予算的に、どの構造が1番合うのかを見極めることが今後のお部屋探しの鍵となるでしょう。
まとめ
今回は、建物構造の種類について解説しました。
どの構造もメリット・デメリットがあるため、ご自身がどのような物件に住みたいか、お部屋探しをする上で重要なポイントがどこにあるかを、見極める手段として建物構造の違いを把握しておくと、お部屋探しをスムーズに行えるかもしれません。
お引越しを失敗しないためにも、必要な知識を身に付けお部屋探しをしていきましょう。
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